【1食125円】IHで作る究極のトロトロチャーシューを作るレシピ【料理ヘタ向け】【圧力鍋不要】

【1食125円】IHで作る究極のトロトロチャーシューを作るレシピ【料理ヘタ向け】【圧力鍋不要】

私は料理が嫌いだ。なぜなら面倒くさがりだからである。しかし、美味しいチャーシューは好きである。美味しいチャーシューとは具体的には二郎系のチャーシューである。それはいわゆる「昔ながらのラーメン屋」のラーメンに乗っている上品なチャーシューではなく、5枚以上食べたら次の日まで胃もたれしそうなご馳走としてのチャーシューである。

必要以上にしょっぱいラーメンのスープをチャーシューから滲み出るアブラで跳ね返し、それでもなおスープの味を少なからず含んだチャーシュー。塩分は1日あたりの摂取量を1食で優に超えており、カラダに悪いことは間違いない。しかい、美味いのだ。

そして、私はカネが無い。

カネが有れば、毎食でもチャーシュー麺を頼みたい。カラダが不老不死なら、毎食でもチャーシュー麺を2食並べて頼みたい。そんな願望は、フトコロ事情と、将来への健康の不安から、断念せざるをえない。

しかしだ。

チャーシューの存在感はラーメン一杯のどんぶり内において無限のハーモニーを奏でる。ラーメンは宇宙であると言われる所以だろう。

今回は、そんな美味いチャーシューが、実は自宅で作れるという事実に辿り着いたため、そのレシピを公開したい。また、なぜ作らないといけないのか?買えばいいじゃん、と思っている方々へは残念なお知らせとなってしまう内容も最後に紹介したい。

ぜひとも本記事を読んで、チャーシューの奥深い世界へ飛び込んで頂けたら幸いである。

レシピ

究極のチャーシューレシピをここに記す。ちなみに私は2年間でおよそ20㎏のチャーシューを作成した。本場のラーメン屋から見ればとるにたらない量だが、インターネットで先人達のチャーシューレシピを調べつつ、試行錯誤してたどり着いたものは(好みにもよるが)その辺のラーメン屋のクオリティを超えていると自負している。

下記がそのレシピだ。なお、土日休みのサラリーマンであることを前提に、スケジュールも合わせて記載する。

チャーシュー スケジュール

レシピ本文

  1. (月~木)以下のものを買う
  • 豚バラブロック2kg ※激安物で良い(100gあたり100~130円が目安)。逆に良い肉はもったいない。買ったら冷凍する。
  • ネギ1束
  • チューブ生姜
  • チューブにんにく
  • 醤油(300ml以上)
  • 料理酒(300ml以上)
  • ジップロック大きめ1袋
  1. (木曜寝る前)豚バラブロックを冷蔵庫に移設する(冷凍→冷蔵へ解凍)
  2. (金曜出社前)豚バラブロックをキッチンに出す(冷蔵→常温へ解凍)
  3. (金曜帰宅後)豚バラブロックに1cm感覚でフォークを縦、横持ちし、穴を開ける
  4. (金曜帰宅後)フライパンでにサラダ油を入れ、豚バラブロック2kgを焼く。表、裏、広い側面×2、狭い側面×2
  5. (金曜帰宅後)豚バラブロック2kgが入るパスタ鍋等に焼いた豚バラブロックを投入し、豚バラブロックがかぶる程度に水を入れる。
  6. (金曜帰宅後)そこにネギの青い部分を手で4回ほどちぎり投入する。チューブ生姜20cm程度も投入する。そして強火で沸騰させる。
  7. (金曜帰宅後)沸騰させたら弱火にしてギリギリ沸騰をする程度の火力で3時間煮込む。その際、クッキングシート(なければキッチンペーパー、コピー用紙、新聞紙、チラシでも良い)で落とし蓋(水面を覆う簡易的な蓋)をする
  8. (金曜帰宅後)上記、煮込みが始まったら別の鍋(小鍋で良い)に醤油300ml、料理酒300ml、チューブにんにく10cm(グラム換算で10g)を入れて一度沸騰させる。沸騰させたら少し冷ましてジップロックに入れる。以下、これを「タレ」と呼ぶ
  9. (金曜帰宅後)3時間煮込んだら、煮た湯を鍋から捨てて、5分ほど冷ました後に、ジップロックに入れたタレに豚バラブロックを投入する。恐らく少し冷めているので手で持てるはず(トング持つと脂身部分が剥がれてしまう。ギトギトになってしまうが、手づかみでやることを推奨)。
  10. (金曜帰宅後)ジップロックのジップを、空気を抜きながら閉める。豚バラブロック全体がタレにうまく浸からない場合は、鍋の取手にジップロックの上部を吊り、洗濯バサミで挟むと、いい感じで浸るはず
  11. (土曜日の夕方)豚バラブロックをタレに浸して夏は5時間、冬は16時間、常温で浸す(=冷蔵庫ではない)。時間が経過したら、ジップロックから豚バラブロックを手で取り出し、皿にラップを敷いて冷凍庫に2時間入れる。※タレは再利用できるので、ジップロックに入れたまま冷凍庫で保管する。これがいわゆる「秘伝のタレ」である。無限に再利用できる。
  12. (土曜日の夜)冷凍庫から豚バラブロックを取り出し、1cm程度の厚みで豚バラブロックをカットする
  13. (土曜日の夜)カットした豚バラブロックを1~2枚のまとまりでラップし、冷凍庫に保管する。
  14. (土曜日の夜~2ヶ月程度経過)好きな時に好きな量を冷凍庫から出し、レンジ(800W想定)で1分程度温め、食べる。※ラーメンに乗せるのはもちろん、辛子を付けておつまみにしても良いし、タレを少量絡めてチャーシュー丼にするのも良いし、チャーハンの具にしてもとても美味しい。

各工程で細かい理由の説明は省くが、以下、「これはやったけど要らなかった」、「これは、やっぱりやったほうが良かった」というものを挙げる

不要【ブライン液に浸ける】

ブライン液(水20:砂糖1:塩1)に一晩浸す。出したらよく拭く。肉1,450gにブライン液400mlで足りた。

ブライン液とは肉を柔らかくする手法である。安い豚肉は硬いと思って、更に美味しくするためにブライン液に漬けてみて、上記行程をやってみたが結果はさほど変わらなかった。行程としては1と2の間にやってみた。

結論はブライン液に浸さなくても充分美味しいチャーシューは作れる、というのものである。

不要【毎回ネギを入れて煮込む】

ネギは非常に「臭みを取る」役割を担っているように見える。なので2回目以降もネギの青い部分を投入したくなるが、正直なところ無くてもなんとかなる。チューブ生姜で臭みは充分とれる。というか、そもそも最近の豚バラブロックは売っている時点で臭み対策がとられているらしく、調理者側で対策をとらなくても問題無いという結果だった。

不要【煮込み時間を強火で短縮】

強火であれば煮込み時間は1時間で良い、とか、もっと弱い火で6~7時間煮込む、という手法も存在するが、煮崩れを防ぎつつトロトロさを出せる最も適切な時間として、「ギリギリ沸騰する火加減で3時間」という結論に至った

不要【タコ糸で豚バラブロックを縛る】

縛ると見た目は「ザ・チャーシュー」という感じがして素晴らしいのだが、いかんせんめんどくさい。また、縛っても縛らなくても味は変わらない。縛らなくても厚切りにすることで迫力は維持できる。

美味しければ見た目は二の次、最優先すべきはタイパということにしておこう。

不要【20時間以上タレに浸ける】

しょっぱくなりすぎる。ので16~20時間を目安にタレ浸けから豚バラブロックを取り出すことを強くおすすめする。

不要【タレ浸け直後にカットする】

タレ浸け後、チャーシューをいきなり包丁でカットしようとすると、トロトロであるためにまともに切れない。なのでじれったいが、冷凍庫で2時間、少しカチカチになるまで凍らせてからカットしたほうが間違いない。2時間以上冷凍すると、今度は逆に硬すぎて切れなくなってしまうので、ここはシビアに冷凍する時間をまもって頂きたい。

要【焼いてから煮る】

チャーシューと言えば脂身が美味さの秘訣だ。一度、実験的に焼かずにいきなり煮込むチャーシュー作りを試みたところ、出来上がりは脂っこすぎてとても食べられるものではなかった。煮る前に豚バラブロックを焼くことは、非常に重要な意味があったと痛感した。

豚バラブロックは煮る前に焼くことを強くおすすめする。

【ついで】煮玉子もタレで作る

タレができれば、ラーメンのお供No.1とも言える煮玉子も、タレに浸すだけで簡単に作れる。半熟卵を作って、それをタレに浸し、取り出すだけだ。ちなみに煮玉子をタレに浸す時間は3時間以下にしておいたほうが良い。それ以上になるとしょっぱすぎて食べられなくなる。

チャーシュー、買えば良い?

チャーシューは、スーパーマーケットで売っている。また、グルメ御用達のコストコでさえも売っている。あなたは買ったことが有るだろうか?私は幾度もある。買って、どうだっただろうか?

美味しくないのである。

表現するのならば、「ハムを醤油味にした感じ」から脱せていない。

保存、出荷行程において、本格チャーシューを送り出せない何かが有るのだろう。仕方ない。唯一「これは美味い」と思ったのが業務スーパーの「やわらか煮豚」(600g、税込498円)である。これは豚タンルートを使い、コクのあるタレで浸けたものである。いわゆるラーメン屋の「美味いチャーシュー」を巧みに再現しており、温めてラーメンに乗せて食べれば非常に満足感を得られる。

しかし、この「やわらか煮豚」におけるコスパマイナス点を見つけてしまったのだ。それは何かと言うと「内容量に含まれるタレの重量」である。これは実測したことは無いが、恐らく100~150g程度含まれるであろう。それを差し引くと実際の重量は450~500g程度。

上記の「タレ重量」が加味されている点を見つけて依頼、買う時に少し損をした気分になってしまう、というか、気づいてからは買っていない。なぜなら自作したほうが安いし満足感も得られるからだ。豚タンルートはたしかに美味いが豚バラにはかなわない、と思ってしまう。

豚バラブロックを生肉で買ってきて、チャーシューを作ると2kgの場合1.6kg程度に減る。なので、2kgの豚バラブロックを100gあたり100円で2kg買った場合(2,000円)、チャーシューとしての100グラムあたり単価は125円になってしまうのだが、それでもやはり、自作した方が美味しい。1.6kgのチャーシューは、100gずつ食べれば16回分だ。1食あたりのチャーシューのコストは125円になる。ちなみに100gのチャーシューとは薄切り(3mm)8枚、厚切り(1.2cm)2枚が目安となる。

まとめ

というわけで自作チャーシューを「安く」、「腹いっぱい」食べるためには、現時点で自作するしか道はない。インターネット上でチャーシューを自炊するレシピを見ると「お好みで自分好みにカスタマイズできます」とも書いてあるが、それは私的には少し違う。つまり「いかに機械的に美味いチャーシューを量産できるか」という点が最も重要だからだ。カスタムするのはとなる極上レシピが完成したあとの話だ。極上レシピは本稿に余すところ無く書いた。

上記のレシピを使って頂ければ、大きく失敗することなく、「美味いチャーシュー」が量産できるはずである。美味いチャーシューが有れば、袋麺であれ、激安の麺とラーメンスープで作るラーメンであれ、神ラーメンが自宅で出来るのだ。ぶっちゃけ「チャーシューが美味ければ、なんとでもなる」状況である。

ちなみに激安の麺とラーメンスープは業務スーパーのものが高クオリティなのでおすすめだ。

以上、究極のトロトロチャーシューのレシピを紹介した。あなたに素敵なチャーシューライフがありますように。