【徹底解説】照明の音声操作はかんたんにできるのか??

【徹底解説】照明の音声操作はかんたんにできるのか??

自宅照明の音声操作をしたい。というわけで色々と調べたのでメモする。いわゆる照明の「スマートホーム」化実現のためのメモである。

照明スマートホーム化の要件

  • Amazon Echo(Alexa)を使って、室内の5箇所の照明を音声操作したい
  • 5箇所とは、リビングダウンライト、キッチンダウンライト、キッチンペンダントライト、寝室シーリングライト、和室シーリングライト、である
  • 音声コマンド(=喋る内容)は「アレクサ、○○して」といったように、○○の部分を完全にカスタマイズしたい
  • 音声操作だけではなく物理スイッチでも操作できるようにしたい
  • ダウンライトについて将来のLED球切れに対応しランプを交換したい

調査結果

ざっくりと、関連する機器の仕様や動作について調べてみた

  • Amazon Echoはwifiで他のデバイスを操作するようだ。つまり、Amazon EchoはBluetoothも喋れるが、Bluetoothはスマホとの通信専用のようだ
  • オーデリックのコネクテッドライティング機器はBluetoothでスマホと通信可能。しかしEchoとは直接通信不可
  • 音声で操作したい、という仕様を満たすための案は以下の通り。まず、Echoと通信したい場合は以下2案が有る
    • オーデリック製タブレットRC913を買う。RC913はBluetoothでコネクテッドライティング機器と通信するため壁越しは不安になる。更に、常時電源ONにしておき、アプリを起動しておかないといけない
    • オーデリックリモコン+Switchbotを買って、リモコンの赤外線をSwitchbotに覚えさせる。SwicthbotはEchoと通信できるため(Bluetooth or wifiは未確認だが恐らくwifiぽい)、Switchbotを赤外線リモコンが届く距離に置いておく。Switchbotはテレビとかエアコンとかも赤外線リモコンをエミュレートできるので拡張性もありすごい
      →残念。Switchbotは赤外線のリモコン学習のみだった。オーデリックのコネクテッドライティングシリーズのシーリングはBluetoothリモコンであり、赤外線ではない。2021年時点でオーデリックは赤外線リモコンタイプの照明をほとんど売っていない状況だった。代わりにBLE(Bluetooth Low Energy)のリモコンに対応したSwitchbotがないか確認中
      →SwitchBot Hub PlusがBLEに対応しているらしい(アマゾンのカスタマーQ&Aより)。これならOKだが、やはり無理のようだ。理由は他10メーカくらいが1個も対応していないのに、これだけ対応しているわけがない、ということ。商品詳細ページも無いのでわからない。この業界のトップであるNature Remoが、やっと2機種のみBluetooth制御を可能にしているので、この先対応するかもしれない。Link JapanのeRemote5は赤外線のみ。ラトック社の製品も赤外線のみ
  • 次にEchoではないが音声操作したいという場合
    • オーデリック製Bluetooth音声リモコンRC924を買う。イメージ的にオーデリック専用これはタブレットRC913不要にした版。しかし、単体ではEchoとは連携できない。いわゆるオーデリック専用、Bluetoothでコネクテッドライティングを操作する、リモコン、といったイメージ。よって拡張性が無い。Bluetooth5.0を使う。また、ウェイクワードやコマンドワードの言い換えもできないので使いづらい(Echoは言い換えが可能)
  • 次にパナソニックのリンクプラスを使う場合
    • リンクプラスも壁スイッチがBluetoothに対応しているが、パナソニック見解によると他社の照明機器は相性問題が出てくるらしい。よって却下。でもリンクプラスのサイトに「リンクプラス対応照明機器」が無いし、リンクプラスはスイッチの話で、「リフォームに最適」て書いてるので、接続される照明機器はなんでも良い気がする。多分問題なく動くと思う。そして、無線アダプタを使えばEchoとの連携は可能。惜しい。
      →先に結論を書くとリンクプラスの壁スイッチが制御できるのはPanasonicの照明製品のみである可能性が高い。というのも、Bluetoothの制御コマンドは標準化したものが一応存在するが、その実装には至っておらず、各社バラバラである

なので結論としてはキッチン島にRC924を1個買って置いて、Bluetooth電波が届けば(恐らく届く)キッチン、リビング、和室、寝室に対し一括でシーン設定(最大4つまで)する。具体的に使うのは以下

  • 「コネクト シーン1」(朝、と、ただいま。キッチンDL、キッチンPL、リビングON)
    または「コネクト でんきつけて」で消灯前の状態で点灯する
  • 「コネクト シーン2」(寝るよ。キッチンDL常夜灯、寝室ON。寝る時はスマホで寝室OFF or 2,000円でリモコン買う)
  • 「コネクト でんき消して」(行ってきます。全消灯)

修正。残念な方向に修正。RC924は1台につき1つの壁スイッチしか制御できないことがわかった。なので5台(キッチンDL、キッチンPL、リビングDL、寝室CL、和室CL)必要になる。そんなに買ってられない。なのでRC924は諦めた。

残るプランは2つ。
1.パナソニックのリンクプラスでオーデリックのシーリングを制御するチャレンジをする。
2.オーデリックタブレットRC913を買う

デメリット。1.の場合、パナソニックのダウンライトとかが高い。2の場合、タブレットを常時画面ONにしておかないといけない。

1.について確認したがリンクプラスは、スイッチと照明器具を有線でON/OFFしている(当たり前か)。リンクプラスのスイッチの通信はBluetoothでスマホと行うor特定小電力(920Mhz)で無線アダプタと行う。オーデリックの照明はBluetooth(2.4Ghzだし)。ちなみに赤外線リモコンの一般的な周波数は38KHzらしい。また、既に調達したオーデリックの和室、寝室の照明について、パナソニックに同じようなデザインのものが無いので、そこは犠牲にしたくない。あくまで音声操作はおまけ、という位置づけ。もう少し調べたが調光調色の方式はメーカ独自規格らしい。信号方式は位相制御とかあるが、無線対応しているのはデジタル信号方式なのかな。パナのリンクプラスから送信されるコマンドがオーデリックの照明器具で解釈される可能性はめっちゃ低い。オーデリックに聞いてもらったが、リンクプラススイッチとオーデリック照明機器の適合実験は行ってないとのこと。うまく繋がる自信が無くなってきた。なので諦める。一応信号制御の標準化はDALIといったような名称で進んでいるらしいが、パナ、オーデリック共にその言葉で検索しても引っかからないので、対応していないのだろう。つまり自社スイッチ、自社照明機器で使うことを前提にしている、と考えられる。

そうなると消去法で2.しかないという状況になる。どこにタブレット置く?テレビの裏かな。いや、リビング物入の最上段だな。早くこのタブレットがパナソニックの無線アダプタみたくボックス型の専用機器になってくれることを祈る

【技術的な推察】

  • Nature Remo等のスマートリモコンで照明をスマート化、IoT化できるのは、レガシな機器、つまり赤外線リモコンを使っている機器のみ。赤外線は暗号化も認証も無く通信しているため、それを傍受して解析してスマートリモコンに記憶させ、操作する。対してBluetoothリモコンは基本的にペアリングを前提としており、その通信は暗号化されているために傍受できない。なのでスマート化は難しい
  • パナのリンクプラスにおけるスマホからの調光調色時の通信経路、プロトコルと、オーデリックのそれとでは異なるか。パナの場合、スマホ~(Bluetooth、独自デジタル信号)~スイッチ~(有線、独自デジタル信号)~照明機器。オーデリックの場合、スマホ~(Bluetooth、独自デジタル信号)~照明機器。そもそもオーデリックが変態ぽくて、照明機器が直接Bluetoothで操作できる。パナは有線のデジタル信号。待てよパナのリモコンは赤外線なのか!?つまり、パナとオーデリックは、まずデジタル信号の文法も違うし、照明機器が受信する経路もパナは有線or赤外線、オーデリックはBluetoothと、もう、全然違うことになっている。これじゃ、通信できるわけないよね
  • パナソニックのダウンライトのリモコン、は基本無し。オプションで、壁スイッチに赤外線受光部を付けるorとったらリモコンという、予めリモコンになる壁スイッチを採用する。シーリングについているリモコンを流用できる仕組み。それで、リモコン~(赤外線)~スイッチ~(有線、メーカ独自信号)~照明、という経路で調光調色する
  • パナソニックのシーリングライトのリモコンは、基本あり。リモコン~(赤外線)~スイッチ~(有線、メーカ独自信号)~照明、という経路で調光調色する
  • つまりパナソニックのダウンライトは有線でのみ信号を受け付ける。それに対しオーデリックはBluetooth+有線で信号を受け付ける
  • この2社を比べて、かなり操作に関する考え方、思想が違うな、と感じた。ここまで違う中でスマホ操作、音声操作しようとすると、そりゃめっちゃ違ってくるよね、互換性なんて期待できないよね、という話が納得行く。諦める。
  • コイズミ、ダイコー、はどうなんだろう
  • コイズミはパナに似てる感じ。赤外線(orBluetooth)でコイズミHUBと壁スイッチが通信し、有線でスイッチが照明器具を操作する
  • 結局、照明器具のスマート化をするための最も無難な通信方式は、壁スイッチ有線と赤外線リモコンで制御できる機器が良い
  • アレクサは、照明器具がIP持っていて且つEchoスキルを照明器具メーカが作っている場合のみ、メーカHUB無しで音声操作可能となる。その条件を揃えると「Works with Alexa」の表示ができる。いわゆるアレクサ対応。まだまだ対応機器は数が少ないので、メーカHUBを介して、アレクサ~メーカHUB~照明器具という経路で音声操作する構成をとったほうが照明器具の選択肢が広まる
  • メーカHUBとは、つまりIPを持ってAlexaとTCP/IPで通信できる機能を持ち、またBluetooth有の壁スイッチ、あるいはBluetooth有の照明器具に対し操作コマンドを送信できる機器のことである。操作コマンドは前述のとおり標準化されていないのが現状。メーカHUBは具体的にパナソニックとコイズミとフィリップスの場合は無線アダプタ、オーデリックの場合はタブレット、となる。マジでなんでオーデリックだけタブレットなんだよ。早く専用機出してほしい
  • アレクサから操作できる、ということはつまり自宅の外から操作できる、ということ。アレクサはBluetoothではなくTCP/IPでスマート家電と通信するため、世界中どこにあってもIPさえわかれば通信できる
  • メーカHUBの通信には3種類の対応状況が有ると思う。上からイケてる順に書く
  1. アレクサ、照明器具と通信可能。宅外からの操作OK
  2. メーカHUB、照明器具と通信可能。宅外からの操作OK

※これは余りないと思う。1.に巻き取られ中のやつ

  1. 照明器具と通信可能。宅外から操作不可
  • 一般的には、まず3.を作り上げてから1.に移行する形がやりやすいと思う。というか歴史的に3.が先にできて、あとあとAlexaが覇権をとったので1.に対応し始めたというもの
    これらをすっとばして後出しでできたのが以下
    1. メーカHUB無しでアレクサと通信可能。宅外操作OK
  • 1~3は、壁スイッチまたは照明器具がBluetooth使っている。対して4はWiFi。Bluetoothは、ペアリング機器が範囲から離れると再接続(正確にはボンディングというらしい?)に時間がかかるので、宅外にちょくちょく出るスマホから照明器具を操作しようと思った時は、再接続してから操作、となるのでめっちゃめんどくさい。なのでBluetooth使って操作する際は、メーカHUBが置いてあるほうが現実的である。
  • 対してIP持ってる機器は常時接続しているので再接続とか必要ない。
  • ここらで大変重要な役割を持つのがAPIである。アレクサとメーカHUBはAPIを使って連携し通信している。API最高
  • ゆくゆくは照明器具が個別にIPを持つ機器が増えていくと思う
  • アレクサ以外のスマートスピーカが覇権を取った場合、照明器具メーカは大変か?いや、そうでも無い。変更ポイントはアレクサでいうところのスキル(=アレクサ用連携アプリ)を、覇権をとったスマートスピーカ向けに作り変えてリリースすることで対応できる。なのでアレクサ以外のスマートスピーカが覇権をとっても、照明器具を買い換える必要は無い。実際にIP持てる照明器具は、当初(2年前くらいか?)Google Home対応のみしていたが、あとでアレクサ対応した。要はアレクサ連携アプリを作ったよ、ということ
  • IP持ってる照明器具は、なぜHUBが無いのにアレクサ配下の照明器具を把握しているのか?これはHUB1台の話も一緒だけど、クラウド上に、スマホで設定した機器リストと、照明器具メーカが作ったアカウントに紐付いており、そのリストの読み書き権限をアレクサに渡している
  • 余談としてFireTV Stickは、どうやっているか?予想。FireTVリモコンは、テレビの音量等を操作できるので赤外線を出していることは間違いない。FireTVはIP持っている。Bluetoothは使っているか?最初の、FireTV本体とリモコンをペアリングする時のみ使う方式かな?と思う。

FireTVの通信インフラは、Bluetooth(送受信)、赤外線(受信)、Wifi(送受信)、HDMIの4つ。赤外線は後述するが無いかもしれない。Wifiはスマホとかアレクサから操作を受け付ける用。赤外線はFireTVリモコンからの操作を受け付ける用。あれ?テレビの赤外線受光部と2重でコマンド受け付けちゃう?もしかしてFireTVは赤外線受光しないかもしれない。あ、しないな。その証拠にこたつの中からFireTVリモコン操作しても通信可能だから。FireTV~FireTVリモコン間はBluetoothだな。なので、FireTVがテレビ電ONにする時の解説をすると、FireTVリモコン~(Bluetooth)~FireTV本体~(HDMI)~テレビ、となり、FireTVが予め初期設定で指定したテレビの型番の電源ONコマンドをHDMI経由で送信している、ということになる。テレビリモコンでもFireTVの画面を操作できることについては、テレビメーカがテレビリモコンでレコーダを操作できるようにしている仕組みを流用していると考えられる。例として「左キー」を押した時の構成を書く

  • FireTVリモコン~(Bluetooth)~FireTV本体
  • テレビリモコン~(赤外線)~テレビ本体~(HDMI)~FireTV本体
  • FireTVは、小さなPC、と考えられる

話を照明器具に戻す

  • Bluetoothで照明器具を操作する時の通信不安定さが怖くなってきた。オーデリックのタブレットはたまに切れちゃうらしく、タブレット内で常時起動しているアプリの再起動により解消するもよう。そんなの頻繁に起きてたら、まじでやってらんない。Bluetoothの通信方式そのものが、照明操作に向いてないんでは?と思う。更に不安材料としてパナ様は無線アダプタ~壁スイッチ間を特定小電力(920Mhz)で行う。これはもしかして確実性を出すためにBluetoothを採用しなかった、と考えられるか?いや、しかしスマホから壁スイッチを操作するときはBluetoothだ。これも確実性が高くないとユーザからボロクソに言われること必至である。GooglePlayストアでパナのスイッチアプリの評価を見たところ「起動が遅い」とか書いてあった。なのでレスポンスは悪いだろう。やはりここでもBluetooth再接続の弊害が出ていると考えられる。ひとまずBluetoothペアリングした機器同士はスマホじゃだめで、動かさない前提のHUBじゃないとだめということになる。コイズミのメーカHUBと壁スイッチの通信方式を調べてみたが無線としか書いておらず、仕様書、取説を見てもBluetoothなのか赤外線なのか特定小電力なのかわからなかった。Bluetoothマークが無いので、じゃない気がする。まじでBluetooth頼みに全振りしたオーデリックは舵取り間違えたんじゃね?て思う。
  • パナの高演色、調光調色、LED交換可能の場合、いくらになるか積算してみる。無線アダプタ、キッチンDL、キッチンPL、リビングDL、リンクプラススイッチ。たけぇだろうなぁ。しかも和室と寝室の音声操作は切り捨てることになり残念

→調べたら高演色+調光調色+LED交換可能というものが無い。有るのは高演色+LED交換可能、もしくは調光調色+LED交換可能。高演色+調光調色+LED一体型も無い。オーデリックはすげぇ

  • LEDフラットランプについて調べていたが、オーデリックは東芝ライテック製を使っている。パナはパナ。結局、ダウンライトとかペンダントライトのガワは単なる容器であり、調光調色のコマンドを解釈するのはLEDフラットランプの方ですよね、と行き着いた。なのでLEDフラットランプを替えれば、それぞれのメーカの壁スイッチが出すコマンドを正確に受信して動いてくれるということになるか?

→いや、うそ。オーデリック製。で、オーデリック製のLEDランプは単品販売してないとのこと

  • 次はコイズミを調べてみるか。リンクプラスみたいな壁スイッチ有るんかいな?→ない。パネル1に対して1回路しか操作できない
  • 次、ダイコー。調べたが、ない。正確には、リンクプラススイッチとの適合OKというイケてるスタンスだが、高演色+調光調色+LED交換可能のダウンライトが無かった
  • 2021/12/10時点で照明の音声操作を導入することは、ややこしくてめんどくさい。という結論。でもやる。
  • で、うちの結論。オーデリックのコネクテッドライティング製品を揃え、RC913経由でEcho使って5箇所の照明を音声操作する。ONU置くリビング物置の横にRC913を置くので、和室と寝室が遠いためタブレットからのBluetoothが届かないかもしれないが、その時は和室と寝室の音声操作を諦める。でもオーデリック的には5m以内と言っており、だいたい5m程度の距離じゃね?と思うので、多分大丈夫
  • この構成だとオーデリック、Bluetoothのやつでしか繋がらない(他のを使いたい場合はメーカHUB追加する)ので、将来オーデリックがまともなHUBを出してくれるのを待つ。出たら買ってタブレットを置き換えする